017 どこまでもお気楽にゴクラクに

Copyright:モーセルヴェ 伊藤 歩

5週間以上も晴天が続いて、ピッカリさっぱりのお天気にラテンのフランス人はすっかりゴキゲン。
そんな私も普段以上の大笑いが続いています。
今回は、日中横目に太陽を見ながら働いて、やっと仕事終了、いっぱい何か飲むぞーの時の気楽なブルゴーニュの白ワインのご紹介。

ブルゴーニュ地方は北はシャブリのあるヨンヌ県からリヨンまで南北に細長く分布する地区で、ブルゴーニュの白ワインと言えばほんの少しの例外を除いて品種はシャルドネ100%。
それでは、基本的なシャルドネの特徴をおさらいしましょう。

シャルドネはブルゴーニュ原産の白ワインの品種ですが、どの気候、どの土壌でも対応する扱いやすさで世界でもっともポピュラーな品種。
りんごや柑橘の親しみやすい果実味、蜂蜜やパンの丸いコク、バランスのよさが大まかな特徴ですが、いかんせん土地によってかなり性格が異なります。
一般的に北で出来たものは柑橘の酸が強く全体に冷たくてシャープな印象に、南下するにしたがってりんごのコンポート、バター、ブリオッシュ、クリームのたっぷりしたコク、肉付きのよさが感じられるようになります。
AOC(Appellation d'Origine Controleeの意)Bourgogneとエチケットに記載されている場合、ブルゴーニュのどこで栽培されたぶどうなのか分からないのですが、エチケットの下に書かれている作り手の住所なり郵便番号を見てみると、どの辺りのブルゴーニュなのか見当がつくでしょう。
とはいっても作り手がぶどうを買って作った(ネゴシアンものといいます)ものだと栽培された場所と作り手の住所が異なるので、やはりタイプを知るためには販売員に質問してみることをお勧めします。

今回ご紹介するBourgogne 2004 Nerthusは、ヴォーヌ ロマネの若手のホープCecile Tremblayと、ヴォルネイの中堅Pascal Roblet Monetの素敵なカップルによるワイン。
ぶどうは2人の所有する畑ではなく、コート ド ボーヌのぶどうを購入して2人で醸造したもの。
香りはりんごのコンポート、蜂蜜、カルヴァドス、カカオパウダー、アカシアの花、ヨーグルトの乳酸の香り、こくりと口にすると香りの要素に加えて、オレンジピールの苦味、焦がしバターのコク、きっちり支えるミネラル、良く完熟した柑橘の力のあるどっしりした酸。
シンプルでも隙がなく、パワフルで安定感のある味わい、この安定感が疲れた頭をゆるゆるほぐします。
ちょっと高級感があって飲んでいて疲れないワインは使い勝手が良く、1か月前のリリース以降5回飲んでも飽きる気配なし。
部屋着で脱力しつつチーンもよし、シックにサンドレスでテラスでアペリティフもよし、友人とわいわいならばブランチでクラブサンドイッチ、フライドポテト、シーザーサラダでピクニック、簡単にじゃがいもとハムのオムレツもよし、天気も手伝ってふっくらほころんでしまうこと請け合い、おしゃべりもはすみます。

気になるお値段は13.50ユーロ。
高いのか安いのか人によっては微妙なところですが、うまいものはうまい、人生は短い、ケセラセラのボヘミアンな気分で味わってください。
でも価格以上の喜びはあるはずですぞ。