2015年12月16日(水) 夢の宴

フランスのブルゴーニュ地方、ヴォルネイ(Volnay)の村にお住まいのワインの醸造家、ヴァンサン ペランさんと息子のギヨームさんが、所用でパリにいらっしゃったので、お昼ご飯をご一緒させていただきました。

彼らが予約してくれたのは、ラトリエ メートル アルベール(L'Atelier Maitre Albert)というレストラン。
以前からその存在は知っていましたが、お店の前を通るたびに「何だか、高そうなレストランだな~」と思っていたので、まだお邪魔したことがありませんでした。

それもそのはず、ここは三ツ星レストラン、ギー サヴォワ(Guy Savoy)の姉妹店。
格式のあるお店なのです。

待ち合わせ時間ちょうどに3人が揃い、早速、お昼ご飯がスタート。

「初めから赤ワインでもいい?」

…と言ってギヨームさんが選んでくれたのは、ローヌ地方、コルナス(Cornas)の赤。
華やかさの中にしっかりと筋の通った、心地良い味と香りの1本でした。

なお、食事中のお話は、もっぱらワインのこと。
今年のぶどうやワインの出来、各人のワインの好み、醸造家としての夢などについて伺いました。

そして、少々酔いも回って「あぁ、なんて幸せなお昼ご飯だろう」と思っていたら…

「さて、次は何を飲もうかな?」

…とおっしゃるヴァンサンさん。
やはり、醸造家の酒量は並みではないことを実感した瞬間でした。

なお、彼が選んだのは、ローヌ地方、シャトーヌフ デュ パプ(Chateauneuf du Pape)の赤。
角がとれた、穏やかな印象の味と香りの1本でした。

しかし、2本めのワインを飲み終える頃には、すっかり出来上がってしまった僕…。
こんな素敵なレストランで、こんな素晴らしいワインをいただくことができるなんて、何だか夢のよう…。
今日はもう、開店休業ということで、これにて御免でございます…。

ドメーヌ ヴァンサン ペラン
ヴォルネイのワイン醸造家、ペランさん親子。
この秋に仕込んだワインは、息子のギヨームさんが味と香りを決めたとのこと。
親から子へと、ワイン造りが受け継がれていく。

コルナス ジャン リュック コロンボ 2011年
コルナス、ジャン リュック コロンボ(Jean Luc Colombo)の2011年。
近年、とても高い評価を得ている蔵元のワイン。
ちなみに、左側は「お水のドンペリ」と呼ばれるシャテルドン。

シャトーヌフ デュ パプ ユッセリオ レイモン&フィス キュヴェ アンペリアル 2011年
シャトーヌフ ド パプ、ユッセリオ レイモン&フィス(Usseglio Raymond&Fils)のキュヴェ アンペリアル(CUVEE IMPERIALE)2011年。
世界的なワイン評論家、パーカーポイントで高得点を獲得した蔵元のワイン。
100年以上も前に植えられた古木になったぶどうから作られる。

仔牛のすね肉
主菜にいただいたジャレット ド ヴォー(jarret de veau:仔牛のすね肉)。
今日は、お料理に合うワインを選ぶのではなく、ワインに合うお料理を選ぶ。

ミシュランさんのカーヴ
食事の後、3人でミシュランさんのカーヴ(デ ヴィニス イリュストリビュス:DE VINIS ILLVSTRIBVS)へ。
ここはその昔、ワイン好きの小説家ヘミングウェイが訪れたところ。
宝物のようなワインが静かに眠るカーヴの中で、ワインを造る者とそれを商う者との話に花が咲く。