447 ふらり、ふらりと

昨日、ルーブル美術館に入ってみました。

「ルーブルに行こう」と思っていたわけではないのですが、偶然にも近くにいたことや、少々時間に(心に?)ゆとりがあったので、ちょっと入ってみることにしました。

パリに住んで5年。
僕はルーブルの常設展を観るのは、今日が初めて。
「近くにあるから、いつでも行ける…」との思いからか、いままで入ったことがなかったのです。

しかし、「ふらりとルーブルに入ってみる…」ということの、何と贅沢なことか!
いまさらながらではありますが、ルーブルって本当に凄いのですね!?
まさに、小学校から高校までの美術や歴史の教科書で見たものが、そのままそこにあるという感じでした。

そして、たくさんの画家たちが描いた絵画や彫刻、古代文明の遺品などを目の当たりにして感じたこと…。

それは、「人間って、本当に凄い!」ということ。
こんなにも美しく、そしてこんなにも心やすらぐものたちを、昔も今もこの世に生み出しているのですから…。

また、展示されていたたくさんの絵の中に、とても印象に残る1枚がありました。

それは、モネが描いた「オンフルール近郊 雪」。

モネと言えば「印象 日の出」や「睡蓮」、「ひなげし」などが有名ですが、彼の描く雪景色は、雪国新潟で生まれ育った僕にとって、何とも言えない郷愁を思い起こさせるものでした。

さらに、すべてのものを覆い隠すような真っ白な雪や、すべての音を消し去ったようなその静けさには、広重の東海道五十三次「蒲原」の浮世絵にも相通ずるような印象を受けました。

なお、今後は「ふらりとルーブル…」の機会を増やしたいと思います。
また、できることなら、オルセーやオランジュリー美術館にも「ふらり、ふらりと」出かけてみたいと思います。

モネ作:オンフルール近郊 雪
広重作:東海道五十三次 蒲原