442 気持ちは解る…

先日、フランスで発行されている、食べ物に関する小冊子を眺めていた時のこと。
その中に、日本食の特集が組まれていました。

まず初めに僕の目を引いたのは、BENTO(弁当)の文字。
「おっ、日本のお弁当もいよいよ世界進出か!」と嬉しく思いつつ、そこに掲載された写真を見たら…

小さくて深いお椀のような器に、ゴマを混ぜた酢飯が盛られ、その上には照焼きの鶏肉と餃子が、器からはみ出すように乗っていました(まるで、フルーツ パフェの上の果物みたいに…)。

またその隣りには、EDAMAME(枝豆)が。
写真には、湯呑み茶碗と思しき器に枝豆がぎっしりと入れられて、その上から、香辛料のソースがダラ~リとかけられていました…。

日本で枝豆と言えばビールのおつまみのような感がありますが、ここフランスでは、サラダのような感覚で食べるのでしょうか(だとすれば、香辛料のソースはドレッシング代わり?)。

さらにその他にも、きれいなお皿に並べられた焼き鳥や、お寿司の写真も載っていましたが、それを見て気になったのは、お皿の脇にそえられていたお箸…。

お皿に対して無造作に、2本揃えることなくバラバラに置かれていたからです。
それはまるで、ご飯を食べ終えた小さな子供が、ポイッ!とお箸を投げ出したような感じ…。

これらのことは、私達日本人にすれば可笑しなことに見えますが、フランスの方々にとっては違和感はないのでしょう。

また、これらのことから察するに、私達が日本でフランス料理と呼んでいるものの中にも、フランス人にすれば可笑しなこともあるのかも知れません。

でも、きっと、こんなふうにしながら少しずつ、お互いの国や文化について知っていくのでしょうね。
それぞれに多少の誤解(?)はあるにせよ、嬉しくもあり、可笑しくもあり…。