434 大きな山? 広い海?

フランスワインの見本市に行ってきましたので、今日はそのお話をしたいと思います。

この見本市は、サロン デ ヴァン(Salon des Vins)と呼ばれるもの。
以前から聞いたことはありましたが、出かけるのは初めてです。

パリのポルト ド ヴェルサイユにある見本市会場で行われ、入場料は6ユーロ(約800円)。
入口で入場券と引き換えに試飲用のグラスをもらって入ります(グラスは持ち帰ることができます)。

なお、会場を訪れている人がとても多いのに対して、入場券売場は小さな窓口が一つあるだけ…。
しかも、並んでいる人の姿はほとんどありません。

後になって判ったことなのですが、この見本市でワインを買った際に自分の住所や名前を出展者(ワインの生産者)に伝えておくと、半年後に開かれる次の見本市の招待券を送ってくださるのだそうです。
ここを訪れている人の多くは、その招待券で入場していらっしゃるのでしょう。

なおこの見本市には1,000を越えるフランスワインの生産者が出展しています。
フランスのさまざまな地方から生産者が集まっていて、ボルドー地方やブルゴーニュ地方などの有名な産地だけでなく、あまり聞かない産地からの出展もありました。

さらに、並んでいるワインの種類も、赤、白、ロゼのほか、発泡性のワインやぶどうを原料とした蒸留酒など、実にさまざまです。

その上、1つの出展者が、生産年の異なるワインやぶどうの品種の異なるワインなど数種類を展示しているため、会場全体ではどれくらいの種類のワインがあるのか、見当も付きません…。

そして、そのどれをも試飲することができ、気に入ったものはその場で買うことができます。

見本市の大きさにすっかり圧倒されてしまった私達は、特に考えもなく、手当たり次第に試飲することに…。
しかしその結果、入場してから30分と経たないうちに、すっかり出来上がってしまいました…。

また、あまりにも短時間にいろいろなワインを飲んだせいか、試飲をしても味や香りの違いがよく判らなくなり、結局、会場を半分も廻らないうちに降参(?)してしまったのです…。

なお、この見本市にお邪魔して感じたことは、以下の3つです。

1つめは、値段が安いこと。

ワインの生産者から直接買うことができるため、同じようなワインをパリの街中の酒屋さんで買うよりも、3割は安いように感じました。
また、会場を訪れている人の多くが、気に入ったワインを箱単位(6本入り)で買っていらっしゃることからも、その安さをうかがうことができます。

2つめは、ワインの知名度の高さに、人々の人気も比例していること。

ワインの産地として有名な地方や有名な村、有名な畑で作られたワインを出展している生産者の前には、試飲を求めてたくさんの人が集まっていました。
一方、知名度の低い産地から出展している生産者の前には、試飲をしている人の姿も少ない様に感じました(個人的には、こういう産地の人にこそ頑張ってもらいたいと、応援したくなります)。

3つめは、フランスワインの奥の深さと幅の広さです。

この見本市だけでもこれだけの数の生産者が出展し、これだけの種類のワインが展示されているのですから、フランス全土にはどれくらいの生産者が存在し、そして、どれくらいの種類のワインが作られているのだろう…ということです。

私達2人はワインが好きなので、日頃からいろいろ飲んでみたいと思っているのですが、今回、この見本市にお邪魔したことにより、目の前にとてつもなく大きな山か、果てしなく広い海が現れたように感じました。
そして、この山をどのように登ったら良いのか、この海にどのように漕ぎ出したら良いのかというような、嬉しい戸惑い(?)すら感じています。
いずれにしても(山に登るにしても、海に漕ぎ出すにしても)、これから先、どんなに素晴らしい景色を楽しむことができるのか、ますます楽しみになって来ました。

サロン デ ヴァン ヴィニョロン アンデポンドン(Salon des Vins des Vignerons Independants)