432 冬の朝に

ある朝、自宅でテレビを見ていたら、ヨーロッパの天気予報が始まりました。

西はスペインやポルトガル、東はロシアのモスクワあたりまで、主要な都市のお天気や気温を伝えています。

特に出かける用事もないので何気なく見ていたら、ポルトガルのリスボンは晴れで最高気温が22度とのこと。

「わぁ~、暖かそうで、いいな~」

パリは曇りで、最高気温が10度。

さらに、ドーバー海峡を挟んだイギリスのロンドンも曇り。
気温は、パリよりも1度高い11度。

なお、パリよりも北にあるロンドンの方が気温が低いように思いますが、先日、とある方から伺ったお話では、海流の関係でロンドンの方が暖かいのだとか。
ただしお天気は、ロンドンの方が曇りや雨の日が多く、「ロンドンは、1年のうち366日が霧だ」なんておっしゃる方もいるようです。

ちなみに、イギリスとフランスとの間にあるドーバー海峡(Strait of Dover)ですが、これはイギリスでの呼び方。
同じ海峡をフランスではカレー海峡(Pas de Calais)と呼んでいます。

ドーバー(Dover)は、この海峡を挟んだイギリス側にある町の名前。
一方、カレー(Calais)は、フランス側にある町の名前です。

続いて、スウェーデンのストックホルムは曇りで3度。
ロシアのサンクトペテルブルクは雨で1度とのこと。
この辺りは、もう冬なのですね…。

なお、サンクトペテルブルクという町の名前を聞くたびに、僕には思い出すものがあります。

それは、成田空港からパリのシャルル ド ゴール空港まで飛行機で来る時の、窓の外に広がる景色…。
サンクトペテルブルクの辺りまで(正確にはウラル山脈の辺りまで)は眼下にシベリアの大地が広がり、住む人もなく、岩と土と氷からなる、寂しいところ…のように見えるのです(もちろん実際には緑もあるし、町もあるようですが…)。

そしてサンクトペテルブルクを過ぎると、ようやく緑が見え始め、人間の営みも感じることができるようになります。

いまは、暖かいパリの自宅(室温20度超!)にいて、本当に幸せ。
何気なく天気予報を見ていて、そんなふうに思った、冬の朝でした。