332 美しくなるためには

フランスには、フランスで最も美しい村(Les plus beaux villages de France)協会と呼ばれる組織があり、開発から免れた自然景観や優れた歴史的財産を有する村を、フランスで最も美しい村として認定しています。

なお、この認定を受けるためには数十におよぶ評価基準を満たさなければならず、また一度認定を受けても、数年ごとに行われる見直しによって、それを取り消されることもあるのだとか。

さらに、この認定を受けても、協会からの財政的な支援があるわけではなく、ただフランスで最も美しい村であることを名乗ることと、そのロゴマークを使用することができるだけとのことです。

しかし、フランスにおいては、フランスで最も美しい村の認知度が高く、人々がバカンスの時などに旅先を決める際の判断材料として活用しているため、村のイメージアップを図ることができるのだとか。

私達2人も、フランスで最も美しい村だけが掲載されている地図を持っていて、旅先でレンタカーを借りてはこれらの村々を廻っています。

実際にいくつかの村を廻ってみた感想は…、村によって実にさまざまであるということ。
それぞれに自然環境も、歴史的背景も異なりますから、当然と言えば当然なのでしょう。

しかし、総じて感じられるのは、そこに住まう人々がその土地を愛し、自らその良さ=財産を守り、さらにその質を高めようと努力しているように見えること。

数百年もの時を経た街並みや建物を、当時のままの姿で保つことは容易なことではないと思いますが、何がその村の良さなのかを皆が十分に理解しているように感じるのです。

また、そのことは、単に景観や歴史的建造物が美しいということだけでなく、村の人々が私達のような旅行者に接する時の姿勢からも伺うことができます。

なお、日本にもフランスのそれを真似て、日本で最も美しい村連合という組織があるそうです。

今後、どんなふうに発展していくのか楽しみですね。
いつの日か、日本で最も美しい村が掲載された地図を持って、旅する日が来るのでしょうか。

●フランスで最も美しい村 協会のサイト
●日本で最も美しい村 連合のサイト