194 ウィーン1900年展

最近、友達との展覧会の話題で「必ず行くべき!」と言われるのが、10月末から始まったグラン パレの「ウィーン1900年展」。
「ウィーン分離派」を代表するクリムト、シーレ、ココシュカ、そしてモーザーの、どこか哲学的で生や死を意識して描かれた、1890年から1918年までの絵画とデッサンを、Hisoires(歴史)、Paysages(風景画)、Figures(人物画)の3つのテーマに分け、約150点あまりの作品が展示されています。

1897年にグスタフ クリムトを中心に結成されたウィーン分離派。
アール ヌーボーや印象派から影響を受けた分離派は、伝統的、古典的な形式にとらわれない新しい表現を主張し、その運動は絵画だけでなく、彫刻、工芸、建築などのアーティストも参加したそうです。

「とにかく人が多いよ!」と聞いていたので、それを避けるために朝一番に行ったのですが、観光客や絵画好きのパリジャン達が既に長い長い列を作っていました。
やはり分離派の絵は、どこの国の人にも人気があるのかなと思いつつ、列の最後へ。

会場に入ると、ウィーン分離派独特のノスタルジックな色使いに、細いけれどもインパクトのある線で描かれた絵画が展示されており、どの絵の前でもその美しさに息を飲んでじっくりと見入ってしまい、人の多さを忘れてしまうほどでした。

さて、この展覧会の会場になっているグラン パレ。
1900年のパリ万国博覧会の時に作られた建物で、1964年に一部を美術館として改築し、これまでに250以上の展覧会が企画されてきました。
「フランス美術の栄光を捧げられた大建造物」という文字が壁にある通り、建物の周りにはたくさんの彫刻像やモザイクなどが置かれており、近くを通るだけで圧倒されます(ちなみに、シャンゼリゼ通りから、このグラン パレとプチ パレに挟まれたウィンストン チャーチル大通り(avenue Winston Churchill)を通り、右手にエッフェル塔を見つつ、アレキサンダー3世橋を渡り、アンバリッドまでの道を通るのが、私の中でのパリ ゴージャス散歩コースの1つ)。

この「ウィーン1900年展」は2006年01月23日まで。
そして嬉しいことに12月16日から週末の金、土、日は、夜22時までの開館になっています(12月24、25、31日を除く)。
この年末年始にパリにいらっしゃることがあれば、是非、足を運んでみてください。