105 遺産は誰のもの?

世界遺産のモン サン ミシェル(Mont Saint Michel)について、先日、地元の方から面白いお話を聞きました。

海抜0m地帯ともいえる広い砂地の上に立つモン サン ミシェルの脇には、クエノン川(le Couesnon)が注いでいます。
そして以前は、このクエノン川を境にして東側がノルマンディー地方、西側がブルターニュ地方に分かれていたそうです。

なお、もともとクエノン川の河口はモン サン ミシェルよりも東側にあったため、モン サン ミシェルは川の西側にあたるブルターニュのものだったとのこと…。

ところが、長い年月の間に少しずつ地形や川の流れが変り、今ではモン サン ミシェルの西側に川が注ぐようになりました。
そしてこれにより、モン サン ミシェルは川の東側にあたるノルマンディーのものになったのだとか。

そのため、ノルマンディーの人とブルターニュの人との間では…

「モン サン ミシェルはノルマンディーのものだ!」

「いやいや、もともとブルターニュにあったのだから、ブルターニュのものだ!」

…という話になるそうです。