093 01月09日(日)その1

早朝、スーツケースを持って家を出る。
今日も、東京地方は冬晴れの良いお天気になりそうだ。
ちょうど、濃いブルーの空が徐々に明るさを増していく時間。
気温は低く、指先が冷たい。

代々木上原は坂の多い町で、思いのほか遠くまで見渡すことが出来る。
もともとは「代々木の上の方にある原っぱ」と言うのが町名のいわれだと聞いたことがある。
自宅から駅に向かう道は下り坂になっていて、スーツケースのタイヤの音をゴロゴロと響かせながら、坂を下る。

1か月間の一時帰国もあっと言う間に終わり、今日、パリに戻る。
これから先、どんなふうに生きていくのかは自分にも分からないが、しかししばらくは、パリという街にいることになりそうだ。
少なくとも、新潟の実家や東京の自宅は、すでに自分の居場所ではないのだ。

今日のパリは、どんなお天気だろうか。
東京のような冬晴れだろうか。
それとも、冬にありがちな、ぼんやりとした曇り空だろうか。
いずれにしても、パリの街のあの匂いを自分は嫌いではないのだと、もう一度確認した。