025 エリック エ リディエ

「自宅のアトリエには、それぞれが使っている机の他に、2人で共用している作業机もあるんだ。そして、それぞれが見つけてきた面白いものや、試しに作ったアクセサリーのパーツなどを、その机の上にそっと置いておくんだよ。そして時々、お互いの時間を合わせては一緒にその机に向かい、新しい作品を生み出していくんだ…」

エリックさんとリディエさん
エリックさん(左)とリディエさん(右)。

【歴史】

大学でスタイリストの勉強をしていたリディエ シャボー(Lydie CHABOT)さん。
とある会社で研修をした時に、アクセサリー作りを経験することに…。

一方、エリック サマン(Eric SAMAIN)さんは、リディエさんに誘われて、忙しかったその会社のお仕事を、ちょっとだけ手伝ったことがこの世界に入るきっかけに…。

その後、別々の会社で経験を積んだ2人は、1994年に一緒に会社を立ち上げて、仕事を始めることにしました。

「その頃、2人で一緒に住んでいたんだけど、部屋がとっても小さくって…。会社を作って一緒に仕事をしよう!なんて言ったはいいけれど、その小さな部屋で出来ることなんて、アクセサリー作りくらいしかなかったんだよ(笑)」

1994年。これが、エリック エ リディエ誕生のエピソード…。
あれから14年の歳月が流れ、当時を懐かしむようにエリックさんがそっと語ってくださいました。

リディエ シャボーさん
リディエ シャボーさん。

エリック サマンさん
エリック サマンさん。

【店舗】

事業を開始した翌年、1995年。
友人の紹介で、パリの2区にあるパッサージュ デュ グラン セール(Passage du Grand Cerf)に小さなお店を構えることに。

「その当時はこのパッサージュも空き店舗が多くて…。アクセサリー屋さんて、うちだけだったんだよ。しかしその後、オシャレな雑貨屋さんやアクセサリー店が集まって来て、いまのようになったんだ」

パリの街に今も残るパッサージュの多くは、どことなく寂れた、薄暗い感じのところが多いのですが、このパッサージュ デュ グラン セールはとても明るい雰囲気。
ゆっくりと時間をかけて、お気に入りのアクセサリーを探したいという方には、ピッタリの場所かも知れません。

●店名
エリック エ リディエ(ERIC ET LYDIE)

●所在地
7 Passage du Grand Cerf 75002 Paris

パッサージュ デュ グラン セール
パリの2区、パッサージュ デュ グラン セールの入り口。

パッサージュ デュ グラン セール
とても明るい雰囲気のパッサージュ デュ グラン セール。
オシャレな雑貨屋さんやアクセサリー店が軒を連ねる。

外観
エリック エ リディエのお店。
とてもシンプルな、すっきりとした作り。

店内
エリック エ リディエの店内。

【商品】

エリックさん、リディエさんの2人が作るアクセサリーは、19世紀から20世紀初頭をイメージした、ちょっと懐かしい雰囲気を持ったもの。

しかし、昔懐かしいイメージを再現するだけでなく、日々の生活の中で感じたものを、それに付け加えていくのだとか。

現在は、パリから100kmほど離れた小さな町に居を構え、自宅の中にあるアトリエで、作品作りを進めているお2人。
田舎暮らしの中で触れることのできる自然から、作品作りのためのたくさんのアイディアを貰っているそうです。

なお、パリの街に出てくるのは、週に1度くらいのペース。
こうすることで、賑やかなパリの街の「動」と、田舎暮らしの「静」とのバランスを取っているのだとか。

また以前は、クリスチャン ラクロア(Christian Lacroix)やヴァネッサ ブリューノ(Vanessa Bruno)などの有名ブランド向けにアクセサリーを作ったり、パリコレなどのファッションショー用に単品の作品なども手掛けていましたが、現在はエリック エ リディエとしての作品作りを中心に行っています。

「作品作りは、ゆっくりでいいんだ。確かに、年に2回はショーに出展しているけれど、そのために作品を作っているわけではないから。それよりも、毎日の生活の中で思いついたアイディアや、試しに作ってみたパーツなどをお互いが持ち寄って、一緒に相談しながら、少しずつ新しい作品を生み出していくんだよ」

作品
エリック エ リディエの作品。
19世紀から20世紀初頭の、ちょっと懐かしい雰囲気をイメージして。

作品
「特別な日だけに付けるアクセサリーではなく、普段から身につけてもらえるアクセサリーが作りたいんだ…」と、エリックさん。

作品
ギラギラしない、落ち着いた雰囲気の、小さなアクセサリーが多い。