023 サジュー

サジュー(SAJOU)とは、あるフランス人男性の名前です。
1800年代に、クロスステッチの図案や手芸用品などの創作活動を通じて、素晴らしい作品を数多く残した人。
フランスの刺繍好きなマダム達の間では、彼の名を知らない人はいない(?)と言われるほどの有名人なのだとか。
私はサジューの名前を数年前に知ったのですが、そのきっかけはとある手芸用品の展示会でサジューの復刻版のはさみを見かけたことでした。

サジュー
手芸用品の展示会の様子。
サジューの全商品が、見やすく展示されていました。

【歴史】

1830年代に設立されたメゾン サジュー(MAISON SAJOU)という会社は既に途絶えてしまいました。
しかし2004年、サジューの製品の収集家であったフレデリック クレスタン ビエさんが、それまで誰の手にも渡っていなかったサジューの版権を手に入れました。

そして、新たなメゾン サジューを立ち上げるとともに、アンティークのコレクションを元にして復刻版の手芸用品を作り、見事にその名を蘇らせたのです。

フレデリックさん
もともとは、本の執筆をしていたフレデリックさん。
15歳の頃から集め始めたサジューの図案集がきっかけとなり、2004年にサジューの版権を取得することに。
そして2005年から、新たなメゾン サジューを復活させました。

スタッフ
現在、フレデリックさんの他、スタッフは3名。

サジューの図案集
フレデリックさんにとって、これが記念すべき第1号のコレクション。
15歳の時、初めてのアルバイト代で買ったサジューの図案集。

【店舗】

サジューの事務所はパリ郊外、有名なヴェルサイユ宮殿のすぐ近くにあります。

もともとはご家族の持ち物だったという昔ながらのアパルトマンは、サジューのイメージにピッタリ。

また事務所の中には、フレデリックさんが15歳の頃から集めてきたサジューのアンティークコレクションが、ところ狭しと並べられています。

なお現在は、直営の実店舗はありませんが、インターネットを通じ、フランスはもちろん、ヨーロッパ各国やアメリカ、日本などへも販売しています。

またいつの日か、自分の希望を全てかなえた、素敵なお店を持つことが彼女の夢なのだとか…。
「でも、今はまだ早いの」とおっしゃるフレデリックさん。
時間をかけて、少しずつ夢を実現させていくようです。

アンティークの手芸用品棚
ヴェルサイユ宮殿のすぐ近くにあるサジューのオフィス。
アンティークの手芸用品棚は、今も活躍中。

アンティークの図案や糸
本当はアンティークのはさみなども集めたいけれど、それにはたくさんのお金が必要になってしまうから、コレクションの中心は「紙(図案など)」や「糸」なのだとか。

展示会の様子
手芸用品の展示会に出展したことで、その名が世の中に広まりつつあります。

【商品】

アンティークのはさみの復刻から始まって、図案集や糸巻き、糸、針など、誰でも買うことができるような復刻版を作成し、販売しています。

なお、フレデリックさんが主に収集してきたのはアンティークの図案や糸。

また復刻の際には、できる限り忠実に再現することに気をつける他、実用品として使っていただくことができるよう、品質管理にも気を配っていらっしゃいます。

アルバム
左が復刻版のアルバム。
右はアンティークのオリジナル。
オリジナルは小さすぎて図案が見づらいので、復刻版はポストカードサイズに。

アルバム
アンティークの原版を忠実に再現(復刻)しています。

刺繍キット
刺繍キットなども充実。

リボン
こちらは新商品のリボン。