005 ラ スリゼ
ホテルやレストランの格付けで有名なミシュラン ガイド。
その中でビブ グルマン(お手頃なお値段で美味しいお料理を食べることができるお店)として紹介されたレストランを実際に訪ね、お料理や雰囲気、ワインなどに関する私達なりの感想をお伝えいたします。
今回は、パリの左岸、エドガー キネにある、さくらんぼ畑という名のレストランをご紹介いたします。
ピレネー産 仔羊の赤ピーマンファルシ添え。
ナイフを使わずとも、ほろほろと崩れるほどに柔らかく煮込んだ一品。
ほのかに辛いピーマンには、マッシュポテトが詰められていました。
【レストランの概要】
いまは、さくらんぼの季節。
そんな折、さくらんぼ畑という可愛らしい名前のレストランにお邪魔してみました。
パリで1番高いオフィスビル、モンパルナス タワーのすぐ近く、エドガー キネ通りにあるお店です。
フランス南西地方のお料理を食べさせてくれるというこのお店、うっかりしているとその前を通り過ぎてしまうほどに間口の小さなお店です。
しかし、お料理の味は本当に素晴らしいもの。
まさに、味で勝負!という感じのレストランでした。
さすが、ビブ グルマン!
●店名
ラ スリゼ(La Cerisaie)
●所在地
70 boulvard Edgar Quinet 75014 Paris
本当に間口の狭い、小さなお店。
ひさしに書かれた SUD-OUEST とは、フランス南西地方のこと。
客席は全部で20席ほど。
しかしシェフお1人で、心のこもったお料理を作るには、これくらいがちょうど良いのかも。
【お料理】
フランス、南西地方のお料理がご専門。
真面目そうなシェフが、1人でじっくりと時間をかけて作る美味しい料理を味わうことができます。
お料理の味付けは少々濃いめかも知れませんが、重すぎず、軽すぎず、ワインとの相性もピッタリ。
また、前菜、主菜、デザートともに程よい量。
ただし、食いしん坊の私達にとっては、「もっと食べたい!」というお料理も。
注文は、毎日シェフが手書きしているという黒板の中から選びます。
ちなみに、お邪魔した日のメニューの一部をご紹介すると…
前菜
- ズッキーニとアンショア(anchois:カタクチイワシの塩蔵品、アンチョビ)の冷たいスープ
- バスク地方のトマトとピーマン入り半熟卵のココット
- カモのフォアグラと田舎パンのトースト
主菜
- ピレネー産 仔羊の赤ピーマンファルシ添え
- ベアルヌ地方のブーダンとアスパラ
- イカとイカ墨のリゾット風
デザート
- 苺のスープ 赤ワイン風味
また、ワインリストを拝見してビックリ!
これまた、フランス南西地方のワインが揃っているという徹底ぶりです。
さらに、ワインの味も素晴らしく、ついつい飲み過ぎてしまいました…。
ズッキーニとアンショアの冷たいスープ。
オリーブオイルやイタリアンパセリ、ゴマなどの風味が効いています。
フランス、バスク地方のトマトとピーマン入り半熟卵のココット。
小さなグラスの中にピペラード(バスク地方のトマト ピーマン入りオムレツ)がギュッと詰まっています。
おっ、美味しい!
鴨のフォアグラと田舎パンのトースト。
ソースを少しずつつけていただくとより美味しい。
ああ、ダメだ。お酒がすすむ…。
ベアルヌ地方のブーダンとアスパラ。
カリカリっとしたブーダンは臭みを全く感じさせず、白&緑のアスパラとの相性もバッチリ。
まさに旬の味。
本当に美味しかった~。
いかといか墨のリゾット風。
小さないかの輪切りの下には、お米や細かく刻まれた野菜を煮込んだものが入っています。
見た目はさえないかも知れないけれど、これが本当に美味しくって!
いか墨の味が何とも深い味わい。
またまたワインがすすみます。
デザート、苺のスープ 赤ワイン風味。
程よい甘さとボリュームで、お腹一杯の状態でもペロッといただけます。
【雰囲気】
お店の外観は、本当に小じんまりとしたもの…。
また、店内も客席20席ほどの小ささです…。
さらに、内装やテーブル、椅子なども、いたってシンプル…。
しかし、小さな店内はお客さんでいっぱいで、とにかく皆さん、楽しそう。
やはり美味しいレストランは、お客さんが皆、楽しそう(幸せそう)な顔をしています。
また、お店の奥に位置する厨房は、客席から丸見えの状態。
その、ピカピカに磨かれた厨房で、見るからに真面目そうなシェフが1人、黙々とお料理を作っていらっしゃいます。
そしてそのことは、お料理の味にも良く現れているように思いました。
さらに、客席の給仕は、奥様とお手伝いの女性がもう1人。
穏やかな笑顔と細やかな気配りにより、心地良いひと時を楽しむことができました。
なお、夜の予約は時間を区切って(19時から21時頃までと、21時から閉店まで)受けているようです。
黒板のメニュー。
リストの赤ワインは「軽めでフルーティ」、「柔らかめで味わい深い」、「重く強め」と、味で分類されていて選びやすい。
お料理に合わせて、ワインもフランス南西地方のものが揃っています。
1本めはコート ド ヴァントー(Cotes du Ventoux)を、そして2本めにはカオール(Cahors)を選択。
本当に、美味しいワインだった。
あぁ~、シ・ア・ワ・セ~。