020 パリに留学1/2

2006年09月から2007年06月までの約1年間、パリの職人学校、フェランディ(Ferrandi)でお料理やお菓子の勉強をしたあやこさん。
今回は、その頃の留学生活についてお話を伺いました。

●質問1
留学のきっかけを教えてください。

○返答1
ワーキング ホリデーでパリに滞在した1年間に、パンやお菓子についてもっとしっかりと学びたいと思うようになったからです。

●質問2
学校はどのようにして決めましたか。

○返答2
留学の半年前から3か月間パリに滞在し、その間に4つのお料理(製菓)学校を見学しました。
また、知り合いからのアドバイスも参考にし、学費と授業時間数、授業内容を考慮してフェランディに入学することを決めました。

●質問3
学校や受講したコースの概要を教えてください。

○返答3
学校の概要:
フェランディは1932年創立のパリ商工会議所付属の伝統ある職人学校で、料理、製菓、レストラン業の即戦力を輩出しています。

コースの概要:
9月から外国人対象(英語での授業)の料理コースに入学し、11月から製菓コースに移動しました。
入学試験などはありませんでしたが、先着順の定員制で料理コースは12人×2クラス、製菓コースは12人×1クラスで、すぐに満席になっていたようです。
平日はほぼ毎日、早朝から夕方まで授業が行われました。
料理コースでは、肉、チーズ、ワイン、製菓などについての理論と実習、またフランス語の授業もありました。
製菓コースでも、パンやお菓子の理論と実習の他に料理やフランス語の授業もありワした。
また時には、地方料理などを学ぶため地方への日帰り旅行があったり、校外学習としてパリ郊外にある市場を見学したりもしました。
さらに校内には、一般のお客様にお料理やサービスを提供するレストランが併設されており、まさに本番さながらの実習も体験することができました。
また、パリのパティシエ、ピエール エルメ(Pierre HERME)が来校しての1週間の研修などもありました。
そして、コースの終盤にはレストランや製菓店での研修(スタージュ)が義務付けられ、最終試験に合格すると修了証書(ディプロム)をもらうことができます。

学費:
料理コースは9か月間で約300万円、製菓コースは7か月間で約270万円でした。

●質問4
学校、クラスの雰囲気はいかがでしたか。

○返答4
クラスによって担当シェフ(担任の先生のような存在)が異なるので、雰囲気も異なるようでした。
私が在籍した料理コースは真剣そのもの。
生徒は23歳から50歳代までと幅広く、国籍もアメリカ、ドイツ、インド、ポルトガルなどいろいろでした。
一方、製菓コースはひょうきんな担当シェフの影響か、とてもアットホームな雰囲気。
厳しい雰囲気の料理コースから移動した私は、少し拍子抜けしたほど雰囲気が違いました。

●質問5
パリでの留学生活の中で楽しかったことを教えてください。

○返答5
放課後はクラスメイトと一緒に誰かの家に集まってお料理をしたり、ワインとチーズとパンを持って公園にピクニックに行ったり、レストラン巡りをしたりと、毎日がとても楽しく充実していました。
生涯の友と呼べるような友人がたくさんできたことは、学校で学んだこと以上に私にとっての大きな財産になったと思います。

●質問6
逆に、留学生活の中で辛かったことは何ですか。

○返答6
授業が始まる時間が朝早かったことは、体力的に辛かったです。
料理コースの方は朝8時には厨房に入っていなければなりませんでしたし、製菓コースの方はパンの授業が朝6時半(!)に始まりました。
他に、特につらかったのは、スタージュ最中に商売道具である右手が手根幹症候群になり、手術をしたことです。
幸い、加入していた保険で治療費などの出費はありませんでしたが、その間、思い通りに仕事ができなかったことが辛かったです。
また、日本から持って来たパソコンが壊れたり、地下鉄内でスリにあったりと災難続きでした…。
渡仏を考えてる方には海外保険への加入をお勧めします!

●備考
フランスに留学している人の多くが、スタージュと呼ばれる実地研修、企業内研修をするそうです。
製菓を学ぶあやこさんも例外ではなく、卒業に必要なスタージュを、パリの有名ホテルのレストランでなさいました。
次回は、スタージュの様子についてお伺いしたいと思います。どうぞお楽しみに。