019 ワーキング ホリデーでパリに

2003年09月から2004年08月までの1年間、ワーキング ホリデーの制度を利用してパリに滞在したあやこさん。
あやこさんとフルールドクールとの出会いは、ちょうどその頃でした。
そこで今回は、あやこさんに当時のことを思い出していただきながら、いろいろとお話を伺ってみました。

●質問1
どうしてワーキング ホリデーでフランスに来ようと思ったのですか。

○返答1
1年間という限られた時間を、美味しい食べ物を作ったり食べたりしながら、外国で過ごしてみたいなぁと思ったからです。
またそれ以外にも、それまでのいろいろな思いが重なって決心しました。
例えば、高校生の頃からアメリカに留学(ドッグトレーナーになるのが夢でした…)したいと思っていたことや、ワーキング ホリデーでカナダに行ってきた人から話を聞いたこと、外国人と一緒に暮らすゲストハウスでの生活や、母と出かけた台湾で美味しい食べ物に出会ったこと…など、今となってはそのすべてがきっかけだったように思います。
さらに、ワーキング ホリデーでフランスに来る前は、昼は派遣社員として働きながら、夜はカフェやレストランでアルバイトをして、調理師免許も取得していました。

●質問2
ワーキング ホリデーのビザの申し込みはどのようにして行いましたか。

○返答2
日本語で記入した申請書類をフランス大使館に郵送しました。
志望動機を書く必要があったのですが、素直に(直球勝負!)書きました。
食べ物に興味があるということ、福祉(特に介護犬)の様子も見てみたい、ということを書きました。

●質問3
フランスへの渡航準備として、日本では何をしましたか。

○返答3
フランス語:
NHKのラジオ講座で勉強をしました。

資金:
最低100万円ほどの資金を用意すべきだと言われますので、一生懸命働いて貯金をしました。

パリでの住まい:
渡航後の当面の宿として、パリ郊外にあるファーム(農場)ステイを日本から手配しました。
またその後は、掲示板(アノンス)で探したり、知り合いに紹介していただいたりしました。

●質問4
フランスでの1年間はいかがでしたか。

○返答4
始めの1か月はファームステイ。
その後はオー ペア(au pair)という方法でお子さんのいる一般家庭に、お子さんたちのお世話をしながらホームステイ。
さらに後半は、パリの15区にアパルトマンを借り、1人暮らしをしました。
中でも、オー ペアをさせていただいたご家庭では、3人の男の子のお世話(学校の送り迎えや遊び相手)も楽しかったですし、また、マルシェ(朝市)での買い物や夕ご飯の支度を任されて、とても楽しかったです。
そして、平日の昼間はサロン ド テのキッチンでアルバイト、夕方から夜は子供達のお世話、さらに土日はケーキ屋さんでアルバイト…と、働いてばかりの生活でした。
また1人暮らしを始めてからは、大好きなプールに毎日通って泳いだりもしました。
さらに、アルザス地方にキャンプに行ったり、ディジョンに旅行に行ったりしたことも良い思い出です。
またアルザスで食べたシュークルートは、パリで食べる味とは全然違って、印象に残る美味しい食べ物でした。
なお私の場合には、職場にも、友人にも日本人が多く、日本語で話す機会が多かったので、寂しい思い(ホームシック)は全くありませんでした。

●質問5
ワーキング ホリデー中、楽しかったことや嬉しかったことなどを教えてください。

○返答5
ワーキング ホリデーを終えて、もう1度、今度はしっかりとお料理(お菓子)の勉強をするためにフランスに戻って来ようと思うようになったことが、何よりの収穫だったと思います。
ワインやチーズ、パンを始め、地方料理など美味しい食べ物に出会えたことも良かったです。
また、日本にいる家族の大切さ、ありがたさもあらためて知りました。

●質問6
逆に、辛かったこと、苦労や失敗などはありましたか。

○返答6
大好きなお料理もお菓子も、その頃は自己流。
趣味の範囲で作っていただけだったので、失敗しても理由がわからず、悔しい思いをしていました。
そしてその思いが、「フランスできちんとお料理(お菓子)を勉強したい」という気持ちにつながりました。

●質問7
ワーキング ホリデーでフランスに行ってみたい、行く予定だという方にメッセージがあればお願いします。

○返答7
もし、行ってみたいと思う方がいらっしゃれば、ぜひ行っていただきたいです。
行ってみて「失敗だった…」と後悔することがあるかもしれませんが、本当の意味での失敗というのはワーキング ホリデーにはないような気がします。
文化も言葉も違う異国ですから失敗と思うことはあって当然です。
そこをいかに乗り越えるかで成長することもできます。
ぜひ失敗を恐れずにチャレンジしてください。
行きたい気持ちがあるのに行かないで、「あの時行っておけば…」と後悔するよりも、ずっと良いと思います。

●備考
さて、ワーキング ホリデーを終えて日本に戻ったあやこさんは、本格的に製菓を学ぶため、2006年に再びパリへ戻って来ることになります。
次回は、その時の留学生活の様子についてお伺いしたいと思います。
どうぞお楽しみに。