389 いつか旅立つ日のために ユゼス編

私達2人がいままでに出かけたことのある場所の中から、いつの日か皆さまがフランスを旅される時に、是非訪ねていただきたい町や村、立ち寄っていただきたい場所やお店などをご紹介する「いつか旅立つ日のために」。
今回は、南フランス、ユゼス(Uzes)の町をご紹介いたします。

ユゼスの町は、南仏プロヴァンスの玄関口、アヴィニヨン(Avignon)の街から西に約40キロのところにあります。
近くには世界遺産にも登録されているポン デュ ガール(Pont du Gard:ローマ時代の水道橋)がありますので、お出かけになったことがある方もいらっしゃるかも知れません。

なお、日本で発行されているガイドブックには、「南仏一美しい町並み…」とか、「フランスで最も美しいといわれる町並み…」という言葉とともに紹介されているのが、ここユゼズです。

ただしこの町には、「これが見どころ!」と言えるような、特別なものがあるわけではありません。
先のガイドブックの件(くだり)のように、町並みそのものが見どころなのです。

私達がユゼスに出かけた時には、アヴィニヨンからバスで向ったのですが(途中、ポン デュ ガールを経由しながら約70分)、1日に数本のバスしか走っていなかったように思います。
そのため、朝のバスでアヴィニヨンからユゼスに向っても、帰りは夕方のバスで帰ってくるしかない、すなわち、丸1日をこの小さな町で過ごすしかないということになります。

しかしそれ故に、直径1キロにも満たないユゼスの旧市街地の中で、のんびり、ゆったりと過ごすことができるのです。

美しい迷路のような小径をお散歩したり、優雅なルネッサンス様式の建物を眺めたり、特産のオリーブの実から作られた石鹸屋さんを覘いてみたり。
また、大きな倉庫のようなアンティークショップの中で手を埃まみれにしながら古物を物色したり、美しい広場に面したカフェのテラスで午後のお茶を楽しんだり。
南仏のまぶしい陽射しや心地よい風を感じながら、ゆったりとした時の流れを楽しむことができます。

なお、日本からご旅行でいらっしゃる方の中には、限られた旅程の中で丸1日をこのユゼスに費やしてしまうのは惜しいとお思いになる方もいらっしゃるかも知れません…。

でもきっと、一生、想い出に残る町になると思います。
そしてその後は、ユゼスという町の名前を聞くたびに、あのゆったりとした時の流れを思い出したり、あの美しい町並みに恋焦がれることになると思います。

皆さまが、いつか旅立つ日のために…。
それでは、また。次回もお楽しみに!

ユゼスの町
ユゼスの観光情報