380 ベルナール ロワゾー

フランスの料理界のことは知らない私ですが、先日出かけたブルゴーニュへの旅で、この人の名前が私の心に強く印象付けられました。

ベルナール ロワゾー(Bernard LOISEAU)とは、2003年に52歳という若さで自ら命を絶ったフランスの料理人であり、実業家。
ホテルといくつかのレストランを経営し、日本にも出店したことがある方です。

自殺の理由は、ミシュランやゴー ミヨなどのレストラン ガイドの評価を気にしたためとの説もあるそうですが、夫人のドミニク ロワゾーによって現在も営業が続けらているそのレストランは、いまでもミシュランの三ツ星を維持しています。

先日、そのホテルとレストランにお邪魔する機会がありましたので、少しだけ感想をお話したいと思います。

●レストラン
現在も、亡きロワゾー氏の「水の料理」を味わうことができます。
「水の料理」とは、バターやクリーム、油の使用を最小限に抑え、肉汁や野菜で作ったソースが特徴のお料理のこと。
その一例として、以下のようなメニューがありました。

なお、現在のシェフ、パトリック ベルトロン氏によるメニューを味わうこともできますので、新旧お2人のお料理を食べ比べることができます。
また食事の途中で、ドミニク夫人がテーブルまで挨拶に来てくださいました。

●ホテル
ルレ エ シャトー(RELAIS & CHATEAUX)という厳しい審査に合格したホテルだけが加盟することのできる組織に登録しています。
外観はそれほど華美な印象はなく、昔の面影を残した建物ですが、備わっている設備は最新で快適。
客室内はフランスらしいクラシックな雰囲気を演出しながらも、新しいものが当たり前という私達日本人でも安心してくつろぐことのできる空間でした。
さらに、スパ(プールやハマム、サウナなど)も清潔で、気持ち良く楽しむことが出来ました。

●サービス
ホテルのスタッフは比較的若い方が多く、皆、にこやか。
ベルボーイの男の子は20歳前後でしょうか、荷物運びもするし、車の移動もするし、レストランでは給仕もこなし(お料理の説明も)、夜遅い時間も、朝早い時間も、気持ち良く対応してくださいました。
1番若くて、1番大変なお仕事をしているであろう彼の笑顔が、とても好印象だったのです。

また、サービスについても、驚くことがいくつかありました。
午後早くにチェックインをして館内のスパを利用し、その後、部屋に戻ってお風呂に入ったり、少々くつろいでからレストランで夕ご飯をいただいたのですが、私達が食事を楽しんでいる間に、ベッドメイキングやお部屋のお掃除、タオルの交換などがもう1度行われていたことです。
まさか夕ご飯をいただいている間にホテルの方が部屋に入るとは思ってもみなかったので、その心遣いにビックリ!

また、翌朝チェックアウトを済ませてホテルの外へ出てみたら、私達の車が玄関前に用意され、昨夜のうちにフロントガラスに着いた霜も取ってあって、さすが!と関心してしまいました(これも、あのベルボーイの男の子がしてくれたようです。さぞかし冷たかっただろうな…と、ちょっと申し訳なく思いつつ…)。

こんなに素敵なホテルに泊まって食事をすることは、私達2人にとっても本当に贅沢なことですが、「そのホテルに泊まるため」だけや、「そのレストランで食事をするため」だけに出かける価値があると言われる場所を実際に体験することができ、とても良い思い出になりました。

ル ルレ ベルナール ロワゾー(LE RELAIS BERNARD LOISEAU)
ルレ エ シャトー(RELAIS & CHATEAUX)