333 少年と犬

先日、バスティーユ広場にあるバス停でバスを待っていた時のこと。
広場の近くにあるカフェの看板犬(ラブラドール レトリーバー)が、辺りをウロウロしていました。

この犬、いつも鎖につながれておらず、カフェの前の歩道でゴロゴロしているか、または、バスティーユ広場の周りをウロウロしています。
そして、広場を行き来する人たちに愛想を振りまいては、皆に撫でられたり、子供に抱きつかれたりしています。

なお、バスを待っていた人々の中に、小学生くらいの男の子が1人。
彼は、バスを待ちながら大きなパンを食べていました。

そして、男の子を見つけた例の犬。
静かにスタスタと歩いて来たかと思うと、男の子の顔をジッと見上げながら(いや、男の子が手にしたパンを見つめながら…)彼の周りをウロウロ…。

続いては、男の子の前にお座りし、「それ、僕にもちょうだいよ」と、目で訴える、訴える。

困った男の子はクルリと反対を向き、引き続きパンを食べますが、犬も反対側に移動して、またまた見つめます…。

すると、男の子はまた反対を向き、続いて犬も反対側に廻り…。
結果、彼はバス停でクルクルと回りながら、急いでパンを口の中に押し込むことに…。

その様子を周りで見ていた大人たちは、男の子の慌てた様子や無言のまま一心にパンを見つめる犬を見て、みんなニヤニヤ。
ああ~、どちらもホントに可愛い!