325 理想の「旅の宿」を探して

皆さまは、シャンブル ドット(Chambre d'Hote)という言葉をご存知でしょうか。
シャンブル ドットとは、フランスの民宿のこと。

南仏の田舎を車で旅していると、この先に民宿があることを示す看板を、時々目にします。
そして、しばらく進んでいくと、なだらかな丘の麓に、ポツンと可愛らしいお家(民宿)が見えてきます。

お家(民宿)の周りにはぶどう畑が広がり、南仏の明るい日差しが燦々と降り注いでいます。
また、広々としたお庭には、青々と葉を茂らせたオリーブの木が植えられていたり、たくさんのお花が咲いていたりします。

そして、そんな美しい風景を見る度に、「わ~っ、いいな~、こんなところに泊まってみたい!」と思うのです。

いままでに何度かフランスの田舎を旅して、いくつかのホテルや民宿に泊まってみましたが、次に泊まってみたいのは、こんな感じの畑の中の一軒家。

いつの日か、予約もなしにフラリと訪ね…

「すみません、今晩泊めていただけませんか? ここの風景がとても気に入ったので」

…なんて言ってみたいものです。

もう1つ、気になっているのはオーベルジュ(auberge)と呼ばれる宿。
オーベルジュという言葉を辞書で引くと、田舎の宿屋とか、外観が田舎風の料亭などと書かれています。
明確な定義があるのかどうかは分かりませんが、一般的には、宿泊設備を備えたレストランをいうようです(レストランだけの利用も可)。

なお、日本のとある旅行ガイドブックには、オーベルジュを旅籠(はたご)と訳しているものがありましたが、まさにそんな感じ。
旅籠とは、江戸時代に旅人を泊め、食事を供することを業とした家のこと。
また、もともとは宿屋の食事とか、宿屋の食事代という意味もあったそうですから、まさにピッタリです。

いつの日か、南仏の小さな村にあるオーベルジュに投宿し、のんびり静かに食事を楽しんだり、美味しいワインをたくさん飲んだりしてみたいと思います(酔っぱらっても、そのまま部屋に上がって寝ればいいし!)。

なお、これからも機会があればフランスの田舎に出かけたいと思いますが、どこかで、理想的な民宿や旅籠を見つけることができましたら、ご紹介したいと思います。

豪華なホテルもいいけれど、やはりフランスの田舎には、シャンブル ドットやオーベルジュがよく似合う、と僕は思います。