004 ラ ロトンド

ホテルやレストランの格付けで有名なミシュラン ガイド。
その中でビブ グルマン(お手頃なお値段で美味しいお料理を食べることができるお店)として紹介されたレストランを実際に訪ね、お料理や雰囲気、ワインなどに関する私達なりの感想をお伝えいたします。
今回は、その昔、芸術家達のたまり場だったと言われる、モンパルナスの有名店をご紹介いたします。

外観
パリのモンパルナスにあるカフェの名店、ラ ロトンド。
立地も、そしてお店の雰囲気も、パリのカフェらしい…の一言。

【レストランの概要】

20世紀のはじめ、モディリアニやシャガール、藤田嗣治(ふじた つぐはる)などの芸術家達が集まっていた街、モンパルナス。
その中に、赤い日よけや店先に並んだ椅子がいかにもパリらしい、一軒のカフェがあります。

ラ ロトンド。
パリのガイドブックには必ずと言っていいほど紹介されているので、皆さまもご存知かも知れません。

ここはその昔、多くの芸術家や文化人が集ったカフェとして有名ですが、現在では、ミシュランのビブ グルマンとしても紹介されている、人気のレストランでもあります。

●店名
ラ ロトンド(LA ROTONDE)

●所在地
105 boulevard du Montparnasse 75006 Paris

夜景
夜の帳(とばり)が下りると、ますます「…らしい」雰囲気に。
往時の芸術家や文化人達が、ひょっこり姿を現しそう…。

テーブルや椅子
赤と黒を基調にした外装、内装。
テーブルや椅子も然り。

【お料理】

日本では、ちょっと昔の、懐かしい洋食を食べさせてくれるお店のことを、親しみを込めて「洋食屋さん」と呼ぶように思います。

そしてこのラ ロトンドは、フランス パリにあって、まさにそんなお料理を食べさせてくれるお店。
お皿に盛られたお料理の雰囲気や味、量ともに、飾らない、昔ながらのスタイルという感じです。

もちろん、往時の様子を知る由(よし)もありませんが、もしかしたら、1903年の開店以来、ずっとそのスタイルを守り続けてきたのではないかと思えるようなお料理なのでした。

なお、私達日本人には少々量が多いかも知れませんが、ここは1つ、雰囲気重視ということで…。

オニオンスープ
前菜のオニオンスープ。
手間のかかる割りには高い値段をつけることが出来ないとの理由から、最近はオニオンスープを出さないお店も多いとか…。
きちんとしたスープを出すところにこそ、お店の姿勢を伺うことができる。

牛のテリーヌ アスパラガスとフォアグラ入り
前菜の、牛のテリーヌ アスパラガスとフォアグラ入り。
まさに酒の肴。
ワインがすすみます。

仔羊のロースト
主菜、仔羊のロースト。
独特の臭みに、ワインがすすみます(飲んでばっかり…)。

鳥の鉄鍋煮込み
主菜、鳥の鉄鍋煮込み。
ソースはコッテリとしていて、それでいてコッテリ。

デザート
デザートは、ミルフィーユのバニラクリーム添え。
大きく、そして甘い。
「デザートは別腹」なんて言うけれど、入るかどうか…。

【雰囲気】

お店の雰囲気は、まさに私達が想像する「パリのカフェ」そのものです。
もちろん、これだけの有名店ですから、外装や内装、テーブルや椅子、店員さんの立ち振る舞いにいたるまで、往時のスタイル、往時の雰囲気を守っていらっしゃるのでしょう。

ちょっと薄暗い店内は、まさに雰囲気十分。
それでいて、とても賑やかで、不思議な活気に溢れています。

なお、有名店とは言え、決して気取った感じはありません。
どうぞ緊張することなく、気さくな店員さんとのやり取りも含め、お店全体の雰囲気を楽しんでください。

ただし訪れているお客様の多くは、他国からの観光客の方々という感じ。
やはり皆さん、せっかくパリに来たのですから、一度はこの雰囲気を味わってみたいのでしょう。

店内
ラ ロトンドの店内。
日本なら、こんなに薄暗いところでご飯を食べるなんてそうそうないかも知れないけれど、ここパリでは決して珍しくありません。

店内
ラ ロトンドの店内。
写真では落ち着いた雰囲気に見えるかも知れないけれど、実は、結構、賑やか。
お客さんの楽しそうな話し声に、通路を行き来する店員さんと…。