1993年にこのお店を始めたPatrick(パトリック)さんとLisa(リザ)さん。 当時は、「こんな感じのお店」はパリには無かったのだそうです。 「こんな感じのお店」とは、たくさんのボタンやリボンなどを取り揃え、たった1個(たった50cm)からでも買うことが出来るお店のこと。 このお店を始める前は、ボタンやリボンの問屋さんに勤めていたパトリックさん。 また、リザさんはインダストリアル デザイナーとして活躍していたのだそうです。 しかし、時代の流れとともに次々と小さなボタン屋さんが姿を消して行く中、知人の反対を押し切りながらも、このお店、ENTREE DES FOURNISSEURS アントレ デ フルニスールを始めたのだとか…。 「お店を始めた頃は本当に大変だったのよ。ボタンやリボンにはたくさんの種類があるし、お店を始めるにはある程度の種類も数も揃えなければならないし。そう、たくさんの在庫を抱えなければならなかったのよ。 それでいて、一個、二個売れても儲けはごく僅か…。しかも、ちょうど長男が生まれた時だったので、その子をカゴに入れ、いつも傍らに置きながら朝から晩まで働いたわ…」。 昔のことを懐かしむように語るリザさんと、その話を聞きながら当時の苦労を思い出している様子のパトリックさん。 いまでこそパリでも人気の手芸屋さんになりましたが、今日までの道のりは、険しいものであった様です。
パリの4区。賑やかなマレ地区の中心がフラン ブルジョワ通り。 ENTREE DES FOURNISSEURS アントレ デ フルニスールはその通りから少しだけ入った広場の奥に、ひっそりと建っています。 建物の構造上、通りからは見えにくく、ほとんどの人はお店の前を通り過ぎてしまうでしょう…。 こんなに奥まった目立たない場所にお店を構え、そして1個数ユーロ(当時はフラン)という安い品物をバラ売りするなんて…。 知人の誰もが反対したのはそのためだったのです。 でも当のお二人にとっては、この目立たない、ひっそりとした空間が気に入ったのだとか。 どこか秘密めいたような、この静かな空間こそ、彼らが持つイメージにピッタリだったのだそうです。 そして理想のお店を実現すべく、インダストリアル デザイナーだったリザさんが、店内のレイアウトをはじめ商品を並べる棚までもすべてデザインし、造ってしまったのだとか! ENTREE DES FOURNISSEURS アントレ デ フルニスール 8 rue des Francs Bourgeois 75003 Paris
ENTREE DES FOURNISSEURS アントレ デ フルニスールを訪れて驚くのは、ボタンやリボンの種類の多さ。パリのモンマルトルにある大きな手芸用品店と比べても、圧倒的な品揃えなのです。 また、彼らは単にボタンやリボンなどを売るのではなく、それを買ってくださるお客様が、さらに手を加えることで初めて形になる素材を売るのがコンセプト。 そのために、お客さんと一緒になって考えながら、たった一個のボタンを選んでもらうのだそうです。 「私達の仕事はお客様からの質問攻めにあうこと。お客様の質問に、一日中、答え続けることなのよ。こんな形のボタンはないかとか、もっと大きなものが欲しいとか、違う色のボタンも見せてとか…。そしてあれこれと悩んだ挙句に、ようやく一個のボタンを買ってもらえるの。でも、日々のお客様からの質問の中にこそ、次のムーブメントが隠されている。私達はそうすることで、お客様から学ばせてもらっているのよ」。 そして、そのムーブメントに応えるために、新しい仕入先や新しい商品を常に探し続け、それを怠らないこと。 本当に地道なことだけど、それを繰り返すことにより、今日のような素晴らしい品揃えにすることが出来たのだそうです。
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